9月10日(土)に地域シンポジウム:「化粧品」~製造・開発から最新の消費トレンドまで~を開催します。化粧品業界を牽引する有名企業の資生堂、コーセー等の研究員を招き、化粧品業界の最新の動向を、地域の皆様にわかりやすく講演していただきます。参加費は無料、会場は第一薬科大学とオンライン形式(Zoom視聴)のハイブリッド形式、どなたでも参加可能です。猛暑でダメージを受けた肌の正しい労わり方を学んでみませんか?(本シンポジウムは(公社)日本油化学会関西支部のサポートにより実施しています)
《講演プログラム》
1. 顔の各部位のシワが対人印象に与える影響とは? ~年代別シワモデルによるアプローチ~
■株式会社 コーセー 田口 冴恵 氏【13:00 ~ 13:40】
シワは年齢印象に影響するだけでなく、目尻のシワは「笑いシワ」と呼ばれポジティブな印象を与え、額のシワは厳格な印象を与えるように、その部位により印象効果が大きく異なることが経験的に認知されている。そこで私たちは、シワに特化した平均顔作成手法であるシワモデルを用いて、40~70代の年代毎のシワ部位と対人印象の関係性を調査し、シワ部位による印象変化及び年代特徴を明らかにした為、その結果を報告する。
2. 液体ボディソープの開発について
■牛乳石鹸共進社株式会社 藤槻 恭平 氏【13:50 ~ 14:30】
当社は固形石鹸をはじめ数多くのトイレタリー製品を販売しています。私は、その中で液体ボディソープ、泡ボディソープ、泡の洗顔料、ヘアケア製品などの開発を担当してきました。今回は、液体ボディソープを取り上げます。石けん成分を使用し、きめ細かいクリーミィな泡に調整し、固形石けんのようにヌルつきなくすばやく洗い流せるよう使用感にこだわって開発した点や、一方でお客様に安心してお使いいただけるように、安全性、経時安定性(時間経過で変化しないか)など厳しい基準を満たす必要があり、両立することに苦労した点をメインにお話させていただきます。
3. 洗いながら肌が活き活きする~炭酸洗顔料の開発~
■花王株式会社 園田 純子 氏【14:40 ~ 15:20】
近年、洗顔料の開発競争は激化しており、多様なタイプの洗顔料が発売されていますが、特に、ただ洗うだけではないプラスの機能をもつ洗顔料が求められはじめています。我々は、機能を有した洗顔料の開発を目指して、炭酸ガスの作用に着目しました。炭酸ガスは、肌に素早く入り込み、種々の肌改善作用をもつことが見出されてきています。我々が開発検討したエアゾールタイプの炭酸洗顔料は、泡の微細化技術により、血流促進効果が高く、使い続けることで、肌の改善も確認できました。そこで、その技術や効果について、簡単にご紹介いたします。
4. リップ化粧品の開発
■株式会社資生堂 冨田 希子 氏【15:30 ~ 16:10】
メイクアップ化粧品に代表される口紅、リップグロスなどのリップ化粧品の役割は、唇に色を与え、魅力的な容貌に変えるといったメイクアップ効果だけでなく、乾燥や紫外線から唇を守るリップケアの要素も欠かせません。唇は肌とは異なる性質を持つことから、スキンケア製剤とは大きく異なる処方で構成されます。更に、カップやマスクに色移りしにくいといった機能性についてもリップ化粧品の価値として高まっています。本講演では、唇と肌の違い、リップケアの考え方、リップ化粧品の基本処方設計、二次付着レス機能を有する相分離技術から最新の開発事例までわかりやすく紹介します。