4年生「実務実習事前学習」において、10月6日(水)3-5限目に予防接種体験実習を実施しました。将来、薬剤師がワクチン接種の担い手として参画することを想定して、筋肉内注射体験を実施しました。さらに、薬学教育モデル・コアカリキュラムに提示されている「F 薬学臨床:前)皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射・点滴等の基本的な手技を説明できる。」に基づき、静脈内注射体験も実施しました。
【予防接種に関する講義:薬学部新館2階S21 講義室】
【予防接種体験(筋肉内注射):薬学部新館2階S21 講義室】
筋肉内注射体験(上腕筋肉注射キット着用)
【静脈内注射体験:薬学部新館4階製剤実習室】
静脈内注射体験(点滴シミュレータVライン)
第一薬科大学は、臨床能力の高い薬剤師を育成する大学として、これからも地域住民の方々の健康・安全に貢献できる研究教育機関として努めてまいりたいと考えております。
また、今回の予防接種体験実習に関しましては、「薬事新報」 様に記事を掲載していただきました。第一薬科大学の取り組みを知っていただく良い機会になり、有り難うございました。
【受講後コメント】
▷ 注射シミュレートを体験して、医師・看護師が如何に大変な業務かが分かりました。静注も筋注もそれぞれで注意点が違うし、それを手際良く患者さんに負担がかからないよう素早く終わらせることは凄い技術だと思いました。 静注も一回で刺せるのは長年の経験の賜物だし、筋注も神経に刺さないよう気をつけながら行うのは、注射を打つ側も神経を尖らせているのだとより一層感じました。
▷ 初めての経験でとても緊張しましたが、手技をきちんと取得することができたと思います。患者さんのことを気にかけながら、動作一つ一つを丁寧にスムーズにしないといけないのは、大変でした。いつもしてもらう側だったので、それを自分でしてみると手際が大事だな、と感じました。薬剤師になって、筋肉注射や静脈内注射をする機会があるかもしれなので、その時にしっかりと身に付いていけるような機会が継続してあることを期待しています。
【薬剤師がワクチン接種することについて】
▷ 私は薬剤師がワクチン接種をすることに賛成します。アメリカでは薬剤師がインフルエンザワクチンを接種していることから、日本の薬剤師もきちんと技能を身につければワクチン接種は可能だと考えます。メリットとしては、薬剤師がワクチン接種をすることによって、病院での待ち時間や診療時間の心配が解消されることだと思います。ワクチン接種のみの受診者が薬剤師のもとで接種することにより、体調不良者が医者のもとへ優先的に受診できるようになります。さらに、ワクチン接種者の病院での待ち時間の心配も解消されるのではないかと考えます。一方でデメリットとしては、ワクチンの種類によっては医師のもとでの経過観察の必要があるものやワクチン接種によるアナフィラキシーショックの心配があります。これに対しては、薬剤師が取り扱えるワクチンの制限や病院で必ず接種すべきワクチンを規定したらよいと考えます。
▷ 私たち薬学生は現在、薬剤を扱うプロフェッショナルとして教育を受けています。薬の組成、効果、作用機序、薬物動態、副作用、使用上の注意、保管などについて学び、薬に関する知識は他の医療職以上ともいえます。しかし、薬剤師は普段の業務として注射・採血など人体への直接の侵襲を伴う行為は行っていません。経験不足のためワクチン接種をすることには懐疑的な意見が多いが、経験が不足しているのは、薬剤師によるワクチン接種を許容する法的根拠が欠けており、そもそも経験できないので、今後の法改正を期待したいです。