第一薬科大学(通称「一薬」)は西日本で唯一、漢方についても学ぶことができる「漢方薬学科」がある大学です。今回は2月7日(金)に行われた「生薬の修治(しゅうち)」という実習をご紹介します。学生らはケツメイシなど3種類の生薬を使って、古典医学書にも載っているという伝統技術「修治」について楽しく学びました。
![](/assets/uploads/2025/02/87ed1c5954fe96134e89bd1f2679b439-1024x765.jpg)
「修治」とは、生薬を炒ったり煮たりなどをする加工処理のこと。修治することによって、効果を高めたり、副作用を弱めたりするなどの狙いがあるそうです。生薬が持っている「力」を変えられるのですね。
西日本唯一の「漢方薬学科」がある本学には、この修治について学ぶ実習があります。薬学部5年生が選択できる「伝統医療薬学実習」のひとつです。
2月7日、新館4階で行われた実習「生薬の修治」では、指導にあたっている本学地域医療薬学センターの城戸克己准教授が、ケツメイシとカンゾウ、キョウニンという3種類の生薬を用意。
説明を受けた学生らはグループに分かれ、まず大きな中華鍋の中へ適量のケツメイシを入れて、焦がさないようにしばらく炒ったうえで冷ましました。その後、容器に入れて、お湯を注ぎます。
そして修治したケツメイシと、修治していないケツメイシのお茶を飲み比べました。修治したケツメイシのお茶の方が香りや味もインパクトがあったようで、香りをかいだ途端〝変顔〟になってしまった学生がいた一方、飲んでみると「コーヒーみたいっ!」と驚いて気に入った表情を浮かべた学生もいました。
![](/assets/uploads/2025/02/694d5e258ce835c41a42290689d6df5b-1024x683.jpg)
![](/assets/uploads/2025/02/f8fc8d66175be5aff55807162a288f94-1024x683.jpg)
カンゾウもケツメイシと同様に炒ります。別の鍋で煮詰めたハチミツをたらして、さらに炒りました。生薬のままのカンゾウは抗炎症作用がありますが、この煮詰めたハチミツを混ぜて炒ったカンゾウは胃腸を元気にする作用があるそうです。
![](/assets/uploads/2025/02/1193986f78fe34fc4ce368aa8a5ad61d-3-1024x683.jpg)
キョウニンを使って杏仁豆腐づくりも行いました。生薬のほかに牛乳やゼラチン、フルーツミックスの缶詰も用意されていたのはそのためだったのですね。
城戸准教授は「修治は古典医学書にも記されているほどですが、今では既製の生薬が流通していますので現場で修治する薬剤師はほとんどいないと思います。実習でその技術について知ってもらえたのでは」と話していました。
![](/assets/uploads/2025/02/284140645a16c5b036b825a25e0c091c-1024x683.jpg)
![](/assets/uploads/2025/02/f338ea0e71bc56d4b60ff95a9fd7b05b-1-1024x683.jpg)
◇
ホームページでは随時、講義や実習をはじめ、さまざまなカテゴリーから【一薬の魅力】をご紹介していく予定です。