日本薬剤師会および福岡市薬剤師会の共催で、FAPA(Federation of Asian Pharmaceutical Associations:アジア18ヵ国の薬剤師会が加盟する国際的団体)の主催する、アジア8ヵ国(香港、台湾、韓国、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリッピン、タイ)の各国薬剤師会代表が参加したワークショップが、2016年6月25日、26日の両日、第一薬科大学をメイン会場として開催されました。本ワークショップは開局薬局に関わる薬剤師研修会として共通言語を英語とし行われました。
1日目はFAPA会長のWong先生の開会の辞の後、本学森内教授の司会で、「調剤事故の防止(リスクマネージメント)」をメインテーマとした日本の薬局のシステムに関する講演が、山野先生(福岡市薬剤師会)、牧瀬先生(東邦ホールディングス)、田中先生(ユヤマ)を演者として行われました。その後、参加者は福岡市内の薬局を見学し、薬剤師の先生方の現場の説明を聞かれました(通訳は本学Epp講師)。講演会も薬局の現場でもアジアの薬剤師の先生方は熱心に質問をされておられました。夜は福岡市内のホテルで歓迎パーティーが行われ、都築本学総長の乾杯の挨拶の後、参加者は交流を深めておられました。
2日目は「薬局業務規範(GPP: Good Pharmacy Practice)の作成を目指して」をメインテーマとして、午前中は日本のGPP作成に関するテーマで、FAPA副会長で日本薬剤師会の国際委員会の会長でもある山村先生、およびAYPG(Asia Young Pharmacist Group)の副会長である七海先生の2名の講師の公演が行われました。続いて、本学小山教授による医学学習用人形とパソコンを使ったシステムで、各自聴診器を用いて、肺や心臓音を聞く実技学習が行われました。その後、森内教授および大光准教授がファシリテーターとなり、4つのグループでディスカッションが行われました。テーマは、「自国と比較して日本のシステムで魅力的と思った点」、「自国と日本のシステムのどちらが、どのような点で優れているか?」、「自国と日本のシステムの違いはどのような点か?」、「日本のシステムのどのような点が、自国でGPPを作成するのに、役に立つか?」の4つで、各グループで活気の有る議論が行われ、その後各グループの意見をまとめたものを発表し合いました。最後に、この研修会のオーガナイザーで、FAPAコミュニティーファーマシー部会チェアマンである曲渕先生(あさひ薬局)から閉会の辞が述べられ研修会が閉会いたしました。参加者達は「実り多き研修会だった」と、満足げに笑顔で帰国の途につかれました。